「出納」を「しゅつのう」と読んでいませんか?実はこれは誤りです。正しくは「すいとう」と読みます。会計や経理の実務で頻繁に使われる言葉ですが、読み方を間違えて恥をかく人が後を絶ちません。社会人として押さえておきたい正しい読み方と使い方を解説します。
「出納」の正しい読み方
「出納」の正しい読み方は「すいとう」です。「しゅつのう」という読み方は誤りです。
意味
金銭や物品の出し入れ、収支の記録や管理を意味します。特に会計業務において、お金の受け取り(入金)と支払い(出金)を記録・管理することを指します。
なぜ間違えやすいのか
漢字をそのまま音読みすると「しゅつのう」となるため、この読み方で覚えている人が多いのです。しかし実際には、「出」を「すい」、「納」を「とう」と読む特殊な読み方をします。
よくある間違い例と正しい使い方
間違った読み方
- × 「現金しゅつのう帳を確認してください」
- × 「今月のしゅつのう業務は完了しました」
- × 「経理部のしゅつのう担当者に連絡します」
正しい読み方
- ○ 「現金すいとう帳を確認してください」
- ○ 「今月のすいとう業務は完了しました」
- ○ 「経理部のすいとう担当者に連絡します」
実務での使用例
会議での発言
「先月の現金出納帳を拝見しましたが、
いくつか記載漏れがあるようです。
出納担当者に確認をお願いします」
業務指示での表現
「月末の出納業務を正確に行うため、
全ての領収書を明日までに提出してください」
メールでの使用例
件名:出納管理の徹底について
各位
本日より出納管理を強化いたします。
現金の出納記録は必ず当日中に
記帳するようお願いいたします。
覚え方・使い分けのコツ
語源から覚える
「出納」の「出」は「出(い)だす」、「納」は「納(おさ)める」という訓読みから来ています。
- 出(すい) = 出す、支出
- 納(とう) = 納める、収入
この2つを組み合わせて「すいとう」と読みます。
関連用語と一緒に覚える
現金出納帳(げんきんすいとうちょう)
現金の出入りを記録する帳簿のこと。会計業務の基本です。
出納係(すいとうがかり)
金銭の出し入れを担当する係のこと。
出納業務(すいとうぎょうむ)
お金の受け取りと支払いに関する業務全般を指します。
同じ読み方の漢字
「出」を「すい」と読む他の例は少ないですが、「納」を「とう」と読む例は他にもあります:
- 納得(なっとく)の「とく」は別の読み方
- 納入(のうにゅう)も別の読み方
「出納」は特殊な読み方として覚えましょう。
「出納」を使った業務用語
出納帳(すいとうちょう)
金銭や物品の出し入れを記録する帳簿。現金出納帳が代表的です。
出納簿(すいとうぼ)
出納帳と同じ意味で、金銭の収支を記録する帳簿。
出納事務(すいとうじむ)
会計における金銭の受け取りと支払いに関する事務全般。
出納係(すいとうがかり)
組織内で金銭の管理を担当する役職や係。
よくある質問(FAQ)
Q. 「しゅつのう」と言っている人も多いのでは?
A. 誤読している人は確かに多いですが、正しくは「すいとう」です。特に会計や経理の専門職では「すいとう」と読むのが常識とされています。ビジネスシーンでは正しい読み方を使いましょう。
Q. 履歴書の資格欄に「出納業務経験あり」と書く場合、ルビは必要?
A. 書類では誤読される可能性があるため、ルビを振るか「金銭管理業務」などの言い換えも検討しましょう。ただし、会計職の場合は「すいとう」と読めることが前提とされる場合もあります。
Q. 「出納」と「収支」の違いは?
A.
- 出納(すいとう) = 金銭の出し入れの行為や記録・管理業務
- 収支(しゅうし) = 収入と支出のバランスや金額
「出納業務」は管理作業を指し、「収支バランス」は金額の均衡を指します。
Q. 「出納責任者」は何と読む?
A. 「すいとうせきにんしゃ」と読みます。金銭管理の責任を負う役職を指します。
Q. メールで「出納」を使うとき、読み仮名を付けるべき?
A. 初めて連絡する相手や、会計に不慣れな相手には読み仮名を付けると親切です。特に社外とのやり取りでは誤読を避けるため、最初に一度「出納(すいとう)」と表記すると良いでしょう。
まとめ
- 「出納」の正しい読み方は「すいとう」(「しゅつのう」は誤り)
- 金銭や物品の出し入れ、収支の記録・管理を意味する
- 会計・経理の実務で頻繁に使われる専門用語
- 「出(すい)」+「納(とう)」の組み合わせと覚える
- 現金出納帳、出納係、出納業務などの関連用語も同じ読み方
会計業務に携わる社会人にとって、「出納」は基本中の基本の用語です。正しい読み方を身につけて、自信を持って使いこなしましょう。誤読は専門知識不足と見られる可能性もあるため、注意が必要です。
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