「流れに掹さす」の正しい読み方と使い方:9割が間違える慣用句

「流れに掹さす」は「ながれにさおさす」と読み、「時流に逆らう」「逆行する」という意味です。ビジネスシーンでも使われる表現ですが、多くの人が誤解している慣用句の一つです。

「流れに棹さす」と漢字で書かれることもありますが、本来の意味を正しく理解していないと、ビジネスの場で恥をかくことがあります。この記事では、正しい読み方と意味、そして実践的な使い方を解説します。

よくある間違い例と正しい使い方

間違った理解と正しい意味

多くの人が「流れに掹さす」を「時流に乗る」「順調に進む」という意味で理解していますが、これは誤用です。

間違った使い方の例:

  • 「この新規事業は市場の流れに掹さして順調に進んでいます」(×)
  • 「トレンドに掹さして売上が伸びています」(×)
  • 「時代の流れに掹さす戦略が功を奏した」(×)

正しい使い方の例:

  • 「環境保護の流れに掹さすような政策は批判を受けるだろう」(○)
  • 「時代の流れに掹さす発言は避けるべきだ」(○)
  • 「市場のトレンドに掹さす経営判断は慎重に検討すべきだ」(○)

なぜ間違えやすいのか

「掹さす」という言葉は、船頭が竹竿を水底について船を進める様子を表します。しかし、流れに逆らって竿を差すイメージから、本来は「逆らう」という意味になります。

一方で、「流れに乗る」という意味で使われることも多く、辞書によっては両方の意味を認めているものもあります。ただし、ビジネス文書や正式な場では本来の意味「逆らう」で使うのが無難です。

語源の詳細

「棹(さお)」は船を操るための長い竿のことです。川の流れに逆らって船を進める際、船頭は竿を川底に突き刺し、その反力で船を前に進めます。この「流れに逆らって竿を差す」動作から、「時流に逆らう」という比喩的な意味が生まれました。

覚え方・使い分けのコツ

語源から理解する

「掹さす」は船を操る際の動作です。急流を遡る場合、竿を川底に突き刺して逆らって進む必要があります。この様子から「流れに逆らう」という意味が生まれました。

言い換え表現を覚える

迷った場合は、以下の明確な表現に言い換えるのがおすすめです:

  • 逆らう表現として: 「時流に逆行する」「トレンドに反する」「潮流に背く」
  • 順調な様子を表す場合: 「時流に乗る」「追い風を受ける」「波に乗る」

類似表現との比較

表現 意味
流れに掹さす 時流に逆らう(本来の意味)
流れに乗る 時流に沿って順調に進む
潮流に背く 時代の流れに逆らう
時流に逆行する 時代の方向と反対に進む

迷ったときは「流れに掹さす=逆らう」と覚え、肯定的な意味を表したいときは「流れに乗る」「追い風を受ける」を使い分けましょう。9割が間違えると言われるこの慣用句を正しく使えることで、教養の高さをアピールできます。

辞書によっては両方の意味を認めている場合もありますが、ビジネス文書では誤解を避けるため、本来の意味「逆らう」で使うことを推奨します。

ビジネスシーンでの使用例

会議での発言

「この施策は、市場のデジタル化の流れに掹さすものと思われますが、慎重に検討する必要があります」

メールや報告書

「競合他社の動向を見ると、業界の流れに掹さす戦略は避けるべきだと考えます」

まとめ

  • 「流れに掹さす」は「ながれにさおさす」と読み、「逆らう」という意味
  • 「流れに乗る」という意味での使用は誤用とされることが多い
  • ビジネスシーンでは本来の意味「逆らう」で使うのが安全
  • 迷った場合は「逆行する」「反する」などの明確な表現に言い換える
  • 語源は船を竿で操る様子から来ている
  • 「掹さす」と「棹さす」は同じ意味で、どちらの表記も正しい

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