「希求」は「ききゅう」と読み、「強く望み求めること」という意味です。「きぐ」や「きもと」ではありません。
ビジネス文書や企業理念などで使われる格調高い表現ですが、読み間違えると恥をかく可能性があります。
よくある間違い例と正しい読み方
読み間違いのパターン
「希求」の読み方でよくある間違いは以下の通りです:
間違った読み方:
- 「きぐ」(×)
- 「きもと」(×)
- 「けぐ」(×)
正しい読み方:
- 「ききゅう」(○)
意味と使い方
「希求」は強く望み求めることを意味する格調高い表現です:
使用例:
- 「世界平和を希求する」(○)
- 「顧客満足を希求し続ける企業理念」(○)
- 「イノベーションを希求する企業文化」(○)
なぜ間違えやすいのか
「希」の読み方の複雑さ
「希」という漢字には複数の読み方があります:
- 音読み: き、け
- 訓読み: まれ、ねが(う)、こいねが(う)
「希望(きぼう)」の「き」の読みから、「希求」も「き」で始まることは分かりますが、「ぐ」と続けて読んでしまう誤りが多いのです。
「求」の読み方
「求」は一般的に以下の読み方があります:
- 音読み: きゅう、ぐ
- 訓読み: もと(める)
「要求(ようきゅう)」「請求(せいきゅう)」のように、多くの熟語で「きゅう」と読むため、「希求」も「ききゅう」と読むのが正しいのです。
覚え方・使い分けのコツ
類似語から覚える
「求」を含む熟語の読み方を整理しましょう:
- 要求(ようきゅう) = 強く求めること
- 請求(せいきゅう) = 金銭などを求めること
- 追求(ついきゅう) = 目的を追い求めること
- 希求(ききゅう) = 強く望み求めること
すべて「きゅう」と読むことに注目してください。
言い換え表現
自信がない場合は、以下の明確な表現を使いましょう:
- 「強く望む」「切望する」「求め続ける」
- 「追求する」「目指す」
ビジネスシーンでの使用例
企業理念・ビジョン
「私たちは持続可能な社会の実現を希求します」
プレゼンテーション
「当社は常に顧客価値の最大化を希求してまいりました」
経営方針の説明
「全社員が成長を希求する企業文化を醸成する」
似た意味の言葉との違い
「希望」との違い
- 希望: 望むこと、期待すること(一般的な表現)
- 希求: 強く望み求めること(より強い意志を表す)
「追求」との違い
- 追求: 目的や理想を追い続けること
- 希求: 強く望み求めること(願望の強さを強調)
「渇望」との違い
- 渇望: 激しく欲しがること(より切実な欲求)
- 希求: 強く望み求めること(より理念的・精神的)
よくある質問
Q. 「希求」は日常会話で使いますか?
A. いいえ、やや堅い表現なので、日常会話ではあまり使いません。ビジネスでは、企業理念、ビジョン、正式な文書などで使われます。
Q. 「希求する」と「希求」の使い分けは?
A. どちらも使えます:
- 「平和を希求する」(動詞として)
- 「平和の希求」(名詞として)
Q. 類語の「渇望」との使い分けは?
A. ニュアンスが異なります:
- 希求: 理想や理念を強く望む(精神的・理念的)
- 渇望: 切実に欲しがる(より現実的・感情的)
Q. ビジネス文書で使っても良いですか?
A. はい、格調高い表現として、正式なビジネス文書、企業理念、方針説明などに適しています。
Q. 漢字で書かず、ひらがなで書くべきですか?
A. いいえ、漢字表記が一般的です。「ききゅう」とひらがなで書くと、かえって分かりにくくなります。
まとめ
- 「希求」は「ききゅう」と読む
- 「きぐ」「きもと」は誤った読み方
- 意味は「強く望み求めること」
- 「要求」「請求」と同様に「きゅう」と読む
- ビジネスでは企業理念やビジョンで使われる格調高い表現
- 日常会話では「強く望む」「切望する」の方が自然
- 「希望」よりも強い意志を、「渇望」よりも理念的なニュアンスを表す
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