「取り急ぎご連絡まで」という表現、メールの結びでよく使いますよね?「取り急ぎ」は便利な表現ですが、使い方を間違えると失礼な印象を与えてしまいます。正しい使い方を身につけましょう。
「取り急ぎ」の意味
「取り急ぎ」とは、とりあえず急いで、まずは急いでという意味です。
- 急いで連絡する
- とりあえずお知らせする
- 簡潔に伝える
- 後で詳細を送る前提
「取り急ぎ」の正しい使い方
適切な使用場面
速報的な連絡
- ○ 「取り急ぎ、結果をご報告いたします」
- ○ 「取り急ぎ、ご連絡まで」
- ○ 「取り急ぎ、お礼申し上げます」
後で詳細を送る場合
- ○ 「取り急ぎ、メールにてご報告いたします。詳細は後ほど」
- ○ 「取り急ぎ、概要をお知らせします」
注意すべき使い方
目上の人には慎重に
「取り急ぎ」は略式の表現なので、目上の人には注意が必要です。
- △ 「社長、取り急ぎご連絡まで」(やや軽い印象)
- ○ 「まずは略儀ながらメールにてご連絡申し上げます」(より丁寧)
感謝や謝罪の結びには不適切
感謝や謝罪のメールの結びには使わない方が無難です。
-
× 「この度は誠にありがとうございました。取り急ぎお礼まで」(軽い印象)
-
○ 「この度は誠にありがとうございました。略儀ながらメールにて御礼申し上げます」
-
× 「申し訳ございませんでした。取り急ぎお詫びまで」(誠意が伝わりにくい)
-
○ 「申し訳ございませんでした。略儀ながらメールにてお詫び申し上げます」
覚え方・使い分けのコツ
「取り急ぎ」は速報や簡潔な連絡に使い、重要な感謝や謝罪には使わないと覚えましょう。
判断基準
| 状況 | 取り急ぎの使用 | 理由 |
|---|---|---|
| 速報的な連絡 | ○ 適切 | 簡潔に伝える |
| 後で詳細を送る | ○ 適切 | とりあえずの連絡 |
| 感謝の結び | × 不適切 | 軽い印象 |
| 謝罪の結び | × 不適切 | 誠意が伝わりにくい |
| 目上の人 | △ 慎重に | より丁寧な表現を検討 |
代替表現
より丁寧な表現
- ○ 「まずは略儀ながらメールにて」
- ○ 「とりあえずご報告まで」
- ○ 「まずは取り急ぎご連絡申し上げます」
カジュアルな表現
- ○ 「とりあえずご連絡まで」
- ○ 「まずはお知らせまで」
ビジネスメールでの使用例
速報的な報告
件名:会議の結果について
田中様
お疲れ様です。
本日の会議の結果、
A案で進めることになりました。
詳細は明日お送りいたしますが、
取り急ぎご報告まで。
お礼メール(丁寧に)
件名:ご支援の御礼
山田様
この度はご協力いただき、
誠にありがとうございました。
略儀ながらメールにて
御礼申し上げます。
「取り急ぎ」の後の表現
よく使われる組み合わせ
- ○ 「取り急ぎご連絡まで」
- ○ 「取り急ぎご報告まで」
- ○ 「取り急ぎお知らせまで」
- ○ 「取り急ぎお礼まで」(カジュアルな場面のみ)
「まで」を省略しない
- △ 「取り急ぎご連絡」(不完全)
- ○ 「取り急ぎご連絡まで」(完全な表現)
よくある質問(FAQ)
Q. 「取り急ぎ」は失礼?
A. 使う場面によります。速報的な連絡には適切ですが、重要な感謝や謝罪には不適切です。
Q. 社内メールでは使える?
A. はい、社内メールでは一般的に使えます。ただし、上司にはより丁寧な表現を検討しましょう。
Q. お客様には使える?
A. 速報的な連絡であれば使えますが、重要なメールでは「略儀ながらメールにて」などの方が無難です。
Q. 「取り急ぎ」だけで終わって良い?
A. いいえ、「取り急ぎご連絡まで」のように「まで」を付けるのが一般的です。
Q. 英語では何と言う?
A. 「Just a quick note」「FYI (For Your Information)」「Quick update」などが該当します。
まとめ
- 「取り急ぎ」は簡潔な連絡に使う
- 速報や後で詳細を送る場合に適している
- 感謝や謝罪の結びには不適切
- 目上の人には慎重に使う
- より丁寧な表現は「略儀ながらメールにて」
正しい使い方を知ることで、ビジネスメールの質が向上します。「取り急ぎ」を適切に使いましょう。
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