間違えやすい日本語辞典

「ご尽力」と「お力添え」の違いとは?ビジネスで正しく使い分ける敬語表現

「ご尽力いただき」と「お力添えいただき」、どちらも感謝を表す表現ですが、実はニュアンスが異なります。ビジネスシーンで適切に使い分けられるよう、違いを理解しましょう。

「ご尽力」と「お力添え」の違い

「ご尽力」の意味

「ご尽力(ごじんりょく)」は、力を尽くして努力することを意味します。

  • 全力で取り組む
  • 努力を尽くす
  • 主体的な努力
  • やや重い表現

「お力添え」の意味

「お力添え(おちからぞえ)」は、協力や支援をすることを意味します。

  • サポートする
  • 手助けをする
  • 補助的な協力
  • やや軽い表現

よくある使い分け例

「ご尽力」の正しい使い方

全力で取り組んでもらった場合

  • ○ 「プロジェクト成功は、皆様のご尽力の賜物です」
  • ○ 「ご尽力いただき、誠にありがとうございました」
  • ○ 「今後ともご尽力のほどお願い申し上げます」

主体的な努力を評価する場合

  • ○ 「田中様のご尽力により、無事に完了しました」
  • ○ 「多大なるご尽力に感謝いたします」

「お力添え」の正しい使い方

サポートや協力をお願いする場合

  • ○ 「今後ともお力添えのほどお願いいたします」
  • ○ 「お力添えいただけますと幸いです」
  • ○ 「皆様のお力添えをお願い申し上げます」

協力に感謝する場合

  • ○ 「お力添えいただき、ありがとうございました」
  • ○ 「温かいお力添えに感謝しております」

覚え方・使い分けのコツ

「ご尽力」= 全力の努力、「お力添え」= サポート・協力と覚えましょう。

判断基準

状況 適切な表現 理由
全力で取り組んでもらった ご尽力 主体的な努力
サポートしてもらった お力添え 補助的な協力
重大なプロジェクト ご尽力 重い表現
軽い協力依頼 お力添え 軽い表現

語源を理解する

尽力

  • = 尽くす、全てを出す
  • = 力、努力
  • 尽力= 力を尽くす

力添え

  • = 力、支援
  • 添え= 添える、加える
  • 力添え= 力を添える、サポートする

ビジネスメールでの使用例

プロジェクト完了の御礼(ご尽力)

この度のプロジェクト成功は、
皆様のご尽力の賜物です。
心より感謝申し上げます。

協力依頼(お力添え)

今後とも変わらぬお力添えを
賜りますようお願い申し上げます。

丁寧度の比較

「ご尽力」の丁寧な表現

  • ○ 「ご尽力いただき、ありがとうございます」
  • ○ 「ご尽力賜り、厚く御礼申し上げます」
  • ○ 「ご尽力のほどお願い申し上げます」

「お力添え」の丁寧な表現

  • ○ 「お力添えいただけますと幸いです」
  • ○ 「お力添え賜りますようお願いいたします」
  • ○ 「温かいお力添えに感謝しております」

よくある質問(FAQ)

Q. 「ご尽力」と「お力添え」、どちらが丁寧?

A. どちらも丁寧な表現ですが、「ご尽力」の方が重く、感謝の度合いが強い印象を与えます。

Q. 軽い協力のお願いには?

A. 「お力添え」の方が適切です。「ご尽力」は全力での取り組みを求める印象があります。

Q. お礼の場面では?

A.

  • 全力で取り組んでもらった → 「ご尽力」
  • サポートしてもらった → 「お力添え」

Q. 「ご尽力」は目上の人に使える?

A. はい、使えます。ただし、目上の人の努力を評価する場合は慎重に使いましょう。

Q. 英語では何と言う?

A.

  • ご尽力: great effort、dedication
  • お力添え: support、assistance

まとめ

  • 「ご尽力」は力を尽くして努力すること
  • 「お力添え」は協力や支援をすること
  • 全力の努力には「ご尽力」
  • サポートには「お力添え」
  • 状況に応じた使い分けが重要

正しい表現を使うことで、感謝の気持ちがより適切に伝わります。「ご尽力」と「お力添え」を正しく使い分けましょう。

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