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「取り付く島もない」の意味とは?ビジネスで使える正しい表現

「取り付く島もない」という慣用句、聞いたことはありますか?頼りにするところがなく、どうにもならない状態を表す表現です。ビジネスシーンでも使える慣用句なので、正しい意味と使い方を理解しておきましょう。

「取り付く島もない」の意味

「取り付く島もない」とは、頼りにするところがなく、どうすることもできない、相手にしてもらえないという意味です。

  • 相談する相手がいない
  • 頼る場所がない
  • 交渉の余地がない
  • 冷たくあしらわれる

正しい使い方

ビジネスシーンでの使用例

  • ○ 「交渉しようにも取り付く島もない状況だ」
  • ○ 「相談しても取り付く島もなかった
  • ○ 「取り付く島もないほど頑なに拒否された」

日常会話での使用例

  • ○ 「頼ろうとしても取り付く島もない
  • ○ 「取り付く島もない対応をされた」

覚え方・使い分けのコツ

「島」= 「頼れる場所」、頼れる場所がない= どうにもならないと覚えましょう。

語源を理解する

「取り付く島」とは、海で漂流しているときに上陸できる島のことです。

  • 海で遭難したときの頼みの綱
  • 上陸できる島がない = 助かる方法がない
  • 頼りにできるものが何もない状態

類似表現

  • 取り付く島もない= 頼りにするところがない
  • すげなくあしらわれる= 冷たくあしらわれる
  • 門前払いを食う= 相手にされない
  • にべもない= そっけない、冷たい

ビジネスシーンでの使用例

交渉が難航している場面

先方は完全に態度を硬化させており、
取り付く島もない状況です。
別のアプローチを検討します。

相談を断られた場面

上司に相談したが取り付く島もなく、
自力で解決するしかなさそうです。

よくある質問(FAQ)

Q. 「取りつく島もない」とひらがなで書くべき?

A. 「取り付く島もない」が一般的ですが、「取りつく島もない」とひらがなで書くこともあります。どちらでも問題ありません。

Q. ビジネスメールで使って良い?

A. 状況を表現する言葉として使えますが、やや口語的な印象を与えます。フォーマルな文書では「交渉の余地がない」「相談できる相手がいない」など、より明確な表現を使う方が無難です。

Q. ポジティブな意味で使うことはある?

A. いいえ、「取り付く島もない」は常にネガティブな状況を表す表現です。

Q. 英語では何と言う?

A. 「nowhere to turn」「no one to turn to」「get nowhere with someone」などが該当します。

Q. 似た意味の慣用句は?

A. 「八方ふさがり」「袋小路」「手詰まり」「にっちもさっちもいかない」などがあります。

まとめ

  • 「取り付く島もない」は「頼りにするところがなく、どうにもならない」という意味
  • 海で遭難したときの島に例えた表現
  • 交渉や相談が拒絶された状況を表す
  • ビジネスシーンでも使えるが、やや口語的
  • ネガティブな状況を表す慣用句

正しい慣用句を知っておくことで、状況を的確に表現できます。「取り付く島もない」の意味を理解しておきましょう。

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