間違えやすい日本語辞典

「辣腕」の読み方と意味は?ビジネスで使われる評価表現

「辣腕」は「らつわん」と読み、「手腕が優れていること」「やり手であること」を意味します。特にビジネスの世界で活躍する人を評価する際に使われます。

読み方を間違えやすく、また意味も正しく理解されていないことがある言葉です。

よくある間違い例と正しい読み方

読み方

「辣腕」の正しい読み方:

正しい読み方:

  • 「らつわん」(○)

間違った読み方:

  • 「らつうで」(×)
  • 「からうで」(×)
  • 「らっぱん」(×)

意味と使い方

「辣腕」は手腕が優れていること、やり手であることを意味します:

使用例:

  • 「辣腕弁護士として知られている」(○)
  • 「辣腕を振るう経営者」(○)
  • 「辣腕家として業界で有名だ」(○)

漢字の意味から理解する

「辣」の意味

「辣」という漢字:

  • 音読み: らつ
  • 意味: 辛い、厳しい、激しい

関連語:

  • 辛辣(しんらつ): 言葉や批評が厳しい

「腕」の意味

「腕」という漢字:

  • 音読み: わん
  • 訓読み: うで
  • 意味: 腕、手腕、能力

「辣腕」の成り立ち

「辣(激しい)」+「腕(手腕)」 = 激しく優れた手腕

使用上の注意点

肯定的な評価

「辣腕」は基本的に肯定的な評価です:

  • 優れた能力を持つ
  • やり手である
  • 手腕が優れている

「辣腕」を使う対象

主に以下のような人に使われます:

  • 経営者・実業家
  • 弁護士
  • 政治家
  • プロデューサー
  • 交渉人

ビジネスシーンでの使用例

人物紹介

「当社の新CEOは、業界でも有名な辣腕経営者です」

評価の文脈

「彼は辣腕プロデューサーとして、数々のヒット作品を生み出してきた」

ニュース・記事

「辣腕弁護士として知られる田中氏が、この難事件を担当することになった」

類似の表現との違い

「辣腕」と「敏腕」

ニュアンスが異なります:

  • 辣腕: 激しく優れた手腕(やや強い印象)
  • 敏腕: 機敏で優れた手腕(スマートな印象)

「辣腕」と「やり手」

格式が異なります:

  • 辣腕: やや格式ばった表現
  • やり手: 口語的で一般的な表現

「辣腕」と「切れ者」

意味合いが異なります:

  • 辣腕: 実行力と手腕に焦点
  • 切れ者: 頭の良さに焦点

「辣腕家」という表現

名詞としての使い方

「辣腕」は「辣腕家」として名詞でも使えます:

使用例:

  • 「彼は業界きっての辣腕家だ」(○)
  • 「辣腕家として知られる」(○)

よくある質問

Q. 「辣腕」は必ず褒め言葉ですか?

A. 基本的には肯定的な評価ですが、文脈によっては「やり過ぎる」「強引すぎる」というニュアンスを含むこともあります。

Q. 女性に対しても使えますか?

A. はい、性別に関係なく使えます。「辣腕女性経営者」などと使われます。

Q. 「辣腕を振るう」という言い方は正しいですか?

A. はい、正しい表現です。「優れた手腕を発揮する」という意味です。

Q. ビジネス文書で使っても良いですか?

A. 使えますが、やや格式ばった表現なので、文脈に応じて判断しましょう。人物紹介や評価の場面では適切です。

Q. 自分について使えますか?

A. 自分について使うと自画自賛に聞こえるため、避けるべきです。他者からの評価として使われるのが一般的です。

Q. 英語ではどう表現しますか?

A. いくつかの表現があります:

  • "skilled"(熟練した)
  • "capable"(有能な)
  • "shrewd"(抜け目のない)
  • "ace"(エース)
  • "skilled manager"(辣腕経営者)

Q. 「敏腕」との使い分けは?

A. 以下のように使い分けます:

  • 辣腕: 強引さや決断力を含む(やや強い印象)
  • 敏腕: スマートさや機敏さを強調(洗練された印象)

まとめ

  • 「辣腕」は「らつわん」と読み、「手腕が優れている」「やり手である」という意味
  • 「らつうで」「からうで」は誤った読み方
  • 基本的に肯定的な評価を表す言葉
  • 経営者、弁護士、政治家などに使われる
  • 「辣(激しい)」+「腕(手腕)」の組み合わせ
  • 「敏腕」はスマートな印象、「辣腕」は強い印象
  • やや格式ばった表現なので、場面を選んで使用
  • 自分について使うのは避けるべき

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