筆者も以前、この表現を誤用していたことがあります。 「伺わせていただきます」は厳密には二重敬語ですが、ビジネスでは許容されています。ただし、よりシンプルな表現の方が好まれる傾向があります。正しい敬語の構造と、推奨される言い方を押さえておきましょう。
よくある間違い例と正しい使い方
避けた方がよい表現
- × 「伺わせていただきたく存じます」(「伺わせていただく」にさらに「存じます」を重ねて冗長)
- × 「お伺いさせていただきます」(「お」と「させていただく」の重複)
- × 毎回「伺わせていただきます」を使う(シンプルな「伺います」の方が好まれる場合がある)
正しい使い方(推奨)
訪問する時
- ○ 「明日伺います」
- ○ 「〇時頃にお伺いいたします」
- ○ 「貴社に伺う予定です」
意見を聞く時
- ○ 「ご意見を伺いたく存じます」
- ○ 「ご要望を伺います」
- ○ 「お話を伺いたいと存じます」
両方の意味で
- ○ 「詳細は直接伺ってご説明いたします」
ビジネスシーンでの使用例
アポの返信
- ○ 「承知いたしました。〇日〇時頃伺います」
打ち合わせの申し出
- ○ 「ご都合のよい日時に、こちらからお伺いいたします」
使い分けのポイント
| 表現 | 丁寧さ | 推奨度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 伺います | 十分 | ◎ | シンプルで適切 |
| お伺いいたします | やや高 | ◎ | 丁寧さを足したい場合 |
| お伺い申し上げます | 高 | ○ | よりかしこまった場合 |
| 伺わせていただきます | 高 | △ | 許容されるが冗長 |
訪問する時・意見を聞く時のどちらも、「伺います」「お伺いいたします」で十分に丁寧です。
覚え方・使い分けのコツ
「伺う」はすでに謙譲語なので、それだけで敬意は伝わります。「〜させていただく」を付け足すと二重敬語になりやすいため、「伺います」を基本にすると、自然で簡潔な敬語になります。
まとめ
「伺わせていただく」は二重敬語と指摘されることがある。他にも重要なポイントがありますが、まずはこの点を押さえておけば、実務では十分役立つはずです。
敬語の構造
なぜ二重敬語と言われるか
- 「伺う」:「行く」「聞く」の謙譲語
- 「〜させていただく」:謙譲表現(許しを請いながら行う意)
したがって謙譲語が重なっている状態で、厳密には二重敬語と指摘されることがあります。
文化庁の見解
文化庁の「敬語の指針」では、「伺わせていただく」は慣用として定着している表現であり、一概に誤りとはされていません。ただし、より簡潔な表現が推奨されています。
よりシンプルな表現(推奨)
推奨される言い方
「伺います」(○ シンプルで十分丁寧)
これだけで、謙譲の意は十分に伝わります。
丁寧さを上げたい場合
- 「お伺いいたします」(○ やや丁寧)
- 「お伺い申し上げます」(○ より丁寧)
「伺わせていただきます」より冗長さが少なく、敬語として自然です。
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