「ご容赦ください」と「ご了承ください」、どちらも「許してください」という意味に聞こえますが、実は使う場面が異なります。ビジネスメールでよく使う表現なので、正しい使い分けを身につけましょう。
「ご容赦ください」と「ご了承ください」の違い
「ご容赦ください」の意味
「ご容赦(ごようしゃ)ください」は、許してください、大目に見てくださいという意味です。
- 謝罪の気持ちを込める
- すでに起きた問題について
- 申し訳ない気持ちを表す
- より強いお詫び
「ご了承ください」の意味
「ご了承(ごりょうしょう)ください」は、事情を理解して納得してくださいという意味です。
- 事前の説明や断り
- これから起きることについて
- 理解を求める
- 比較的軽い依頼
よくある間違い例と正しい使い方
「ご容赦ください」の正しい使い方
既に起きた問題について謝罪
- ○ 「返信が遅れましたこと、何卒ご容赦ください」
- ○ 「ご不便をおかけし、ご容赦くださいますようお願い申し上げます」
- ○ 「行き届かない点がございましたら、ご容赦ください」
「ご了承ください」の正しい使い方
事前の断りや説明
- ○ 「在庫切れの場合がございます。予めご了承ください」
- ○ 「当日は混雑が予想されます。ご了承ください」
- ○ 「返品は承っておりません。ご了承くださいませ」
使い分けのポイント
すでに問題が起きた場合
- 「ご容赦ください」を使う
- 「納期に遅れが生じ、ご容赦ください」
事前に断りを入れる場合
- 「ご了承ください」を使う
- 「多少の誤差が生じる場合がございます。ご了承ください」
覚え方・使い分けのコツ
「ご容赦」= 謝罪(事後)、「ご了承」= 説明(事前)と覚えましょう。
判断基準
| タイミング | 適切な表現 | 理由 |
|---|---|---|
| 問題が起きた後 | ご容赦 | 謝罪の意味 |
| 事前の説明 | ご了承 | 理解を求める |
| 深刻な問題 | ご容赦 | より丁寧な謝罪 |
| 軽い断り | ご了承 | 理解を促す |
ビジネスメールでの使用例
謝罪メール(ご容赦)
この度は納期に遅れが生じ、
誠に申し訳ございません。
何卒ご容赦くださいますよう
お願い申し上げます。
事前の断り(ご了承)
システムメンテナンスのため、
明日10時〜12時はサービスを
停止いたします。
ご了承くださいますようお願いいたします。
よくある質問(FAQ)
Q. 「ご容赦」と「ご了承」、どちらが丁寧?
A. 「ご容赦」の方がより丁寧で、深い謝罪の気持ちを表します。ただし、使う場面が異なるため、単純に丁寧度だけでは選べません。
Q. 「ご理解ください」との違いは?
A. 「ご理解ください」は「分かってください」という意味で、「ご了承ください」に近いですが、より説明的なニュアンスです。
Q. 「何卒」は付けるべき?
A. 「何卒(なにとぞ)」を付けるとより丁寧になります。「何卒ご容赦ください」「何卒ご了承ください」のように使います。
Q. メールの結びではどちらを使う?
A.
- 謝罪メール → 「ご容赦ください」
- お知らせメール → 「ご了承ください」
Q. 英語では何と言う?
A.
- ご容赦: Please forgive us、We apologize
- ご了承: Please understand、Please note
まとめ
- 「ご容赦ください」は謝罪の表現(事後)
- 「ご了承ください」は理解を求める表現(事前)
- 既に起きた問題には「ご容赦」
- 事前の断りには「ご了承」
- 状況に応じた適切な使い分けが重要
正しい表現を使うことで、ビジネスマナーが向上します。「ご容赦ください」と「ご了承ください」を使い分けましょう。
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