「社長はおられますか」と「社長はいらっしゃいますか」、どちらが正しいでしょうか?実は「いらっしゃいますか」の方が適切で、「おられる」は地域によって評価が分かれます。正しい敬語の使い方を身につけましょう。
「おられる」と「いらっしゃる」の違い
「いらっしゃる」の意味
「いらっしゃる」は、「いる」「行く」「来る」の尊敬語です。
- 最も一般的な尊敬語
- 全国的に使われる
- ビジネスシーンで推奨
- 失礼にあたらない
「おられる」の問題点
「おられる」は、地域や人によって評価が分かれます。
問題点
- 関西では一般的だが、関東では違和感
- 「おる」は謙譲語という認識がある
- 尊敬の「られる」を付けても適切でないという意見
- 二重敬語という指摘もある
よくある使い分け例
「いらっしゃる」の使用例(推奨)
電話対応
- ○ 「社長はいらっしゃいますか」
- ○ 「田中様はいらっしゃいますでしょうか」
会話
- ○ 「部長は会議室にいらっしゃいます」
- ○ 「お客様がいらっしゃいました」
「おられる」の使用(注意が必要)
関西では一般的
- △ 「社長はおられますか」(関西では自然)
- △ 「先生はおられますか」(地域差あり)
ただし、ビジネスシーンでは「いらっしゃる」の方が無難です。
覚え方・使い分けのコツ
ビジネスシーンでは「いらっしゃる」を使えば間違いないと覚えましょう。
敬語の整理
| 基本形 | 謙譲語 | 尊敬語 |
|---|---|---|
| いる | おる | いらっしゃる |
| 行く | 参る | いらっしゃる |
| 来る | 参る | いらっしゃる |
「おる」は謙譲語
「おる」は謙譲語なので、目上の人には使いません。
- ○ 「私は会社におります」(謙譲語)
- × 「社長は会社におります」(失礼)
- ○ 「社長は会社にいらっしゃいます」(尊敬語)
地域差について
関西では「おられる」が一般的
- 関西では尊敬語として認識されている
- 「いはる」「おられる」が日常的
関東では「いらっしゃる」が一般的
- 「おられる」に違和感を持つ人が多い
- 「いらっしゃる」が標準的
ビジネスシーンでの使用例
電話対応
お客様からの電話
お客様:「田中様はいらっしゃいますか」
あなた:「はい、田中は席におります。
少々お待ちください」
来客対応
受付での対応
「お待ちしておりました。
どうぞこちらへいらっしゃってください」
代替表現
「いる」の尊敬語表現
ビジネスシーンで使える表現
- ○ 「いらっしゃる」(最も一般的)
- ○ 「おいでになる」(丁寧)
- ○ 「ご在席です」(在席を表す)
謙譲語表現(自分)
自分について話す場合
- ○ 「おります」(謙譲語)
- ○ 「在席しております」(丁寧)
よくある質問(FAQ)
Q. 「おられる」は完全に間違い?
A. 完全な誤りではありませんが、地域差や個人差があるため、ビジネスシーンでは「いらっしゃる」の方が無難です。
Q. 関西出身者は「おられる」を使って良い?
A. 関西では一般的ですが、全国的なビジネスシーンでは「いらっしゃる」を使う方が誤解を避けられます。
Q. 「おられる」を使う人は失礼?
A. いいえ、地域による言葉の違いです。ただし、標準的なビジネス敬語としては「いらっしゃる」が推奨されます。
Q. 「ご在席ですか」は正しい?
A. はい、「ご在席ですか」も丁寧な表現で、ビジネスシーンで使えます。
Q. 英語では何と言う?
A. 「Is he/she there?」「Is he/she available?」「Is he/she in?」などが該当します。
まとめ
- 「いらっしゃる」が標準的な尊敬語
- 「おられる」は地域差があり注意が必要
- ビジネスシーンでは「いらっしゃる」を推奨
- 「おる」は謙譲語なので目上の人には使わない
- 全国共通で通じる敬語を使うのが無難
正しい敬語を使うことで、誤解を避けられます。「いらっしゃる」を正しく使いましょう。
この記事をシェア