「気が置けない人」と聞いて、どんな人を思い浮かべますか?多くの人が「気が抜けない、油断できない」という意味で使っていますが、これは真逆の誤用です。本来は「気を遣わなくていい、リラックスできる」という意味なのです。
「気が置けない」の本来の意味
「気が置けない」とは、遠慮や気遣いが不要で、リラックスできるという意味です。
- 気を置く= 気を遣う、遠慮する
- 気が置けない= 気を遣わなくていい
- 親しい関係、リラックスできる相手
誤用「油断できない」「気が抜けない」
現代では、多くの人が「気が置けない」を「油断できない」「注意が必要」という意味で使っています。
例えば:
- × 「彼は気が置けない相手だ」(油断できないという意味)
- × 「気が置けない取引先」(注意が必要という意味)
これらは誤用です。本来は「リラックスできる」という良い意味なのです。
よくある間違い例と正しい使い方
間違った使い方(誤用)
- × 「彼は気が置けない人物なので注意が必要」(油断できないという意味)
- × 「気が置けない相手との交渉」(気を抜けないという意味)
正しい使い方(本来の意味)
- ○ 「彼とは気が置けない関係だ」(気を遣わない親しい関係)
- ○ 「気が置けない友人」(リラックスできる友人)
- ○ 「気が置けない間柄」(遠慮のない仲)
言い換え表現
「リラックスできる」という意味の場合
- ○ 「気を遣わない関係」
- ○ 「遠慮のない仲」
- ○ 「打ち解けた間柄」
- ○ 「腹を割って話せる相手」
「油断できない」という意味の場合
- ○ 「油断できない相手」
- ○ 「気が抜けない取引先」
- ○ 「注意が必要な人物」
覚え方・使い分けのコツ
「気を置く」= 「気を遣う」→ 「気が置けない」= 「気を遣わなくていい」と覚えましょう。
語源を理解する
- 気を置く= 気を配る、気を遣う、遠慮する
- 気が置けない= 気を置く必要がない = 気を遣わなくていい
「ない」がついているので、否定形になることに注意しましょう。
ビジネスシーンでの使用
ビジネスシーンでは、「気が置けない」という言葉自体を使わない方が無難です。誤用が広まっているため、意図が正しく伝わらない可能性があります。
代わりに:
- 「気を遣わない関係」
- 「信頼できる」
- 「打ち解けた」
など、より明確な表現を使いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. なぜこの誤用が広まったのか?
A. 「気が置けない」という表現から、「気」に「置けない」という否定的なイメージを連想し、「気が抜けない、油断できない」と誤解したためです。
Q. 文化庁の調査結果は?
A. 文化庁の調査では、約半数の人が「油断できない」という誤った意味で理解しています。誤用が非常に広まっている言葉です。
Q. ビジネスシーンで使うべき?
A. 誤解を招きやすい言葉なので、ビジネスシーンでは「信頼できる」「打ち解けた」など、明確な表現を使う方が無難です。
Q. 「気が置けない仲」は良い意味?
A. はい、非常に良い意味です。「遠慮のない親しい関係」という意味で、褒め言葉として使われます。
Q. 英語では何と言う?
A. 「feel comfortable with」「easygoing relationship」「can be myself around」などが該当します。
まとめ
- 「気が置けない」は「気を遣わなくていい、リラックスできる」という意味
- 「油断できない」は誤用
- 本来は良い意味で、親しい関係を表す
- ビジネスシーンでは誤解を避けるため、明確な表現を使う
- 誤用が非常に広まっている言葉
正しい日本語を使うことで、ビジネスパーソンとしての信頼性が高まります。「気が置けない」の本来の意味を理解しておきましょう。
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