「方法をご教示ください」と「方法をご教授ください」、どちらが正しいでしょうか?実はこの2つは意味が異なり、多くの場合「ご教示」が適切です。ビジネスメールでよく使う表現なので、正しい使い分けを身につけましょう。
「ご教示」と「ご教授」の違い
「ご教示」の意味
「ご教示(ごきょうじ)」は、知識や方法を教えてもらうことを意味します。
- 簡単な情報を教える
- やり方・方法を教える
- 一時的な教え
- ビジネスシーンで一般的
「ご教授」の意味
「ご教授(ごきょうじゅ)」は、学問や技芸を継続的に教えることを意味します。
- 専門的な知識を教える
- 長期的な指導
- 学問・技芸の伝授
- 師弟関係のニュアンス
よくある間違い例と正しい使い方
「ご教示」の正しい使い方
簡単な情報を尋ねる場合
- ○ 「操作方法をご教示ください」
- ○ 「詳細をご教示いただけますでしょうか」
- ○ 「手順をご教示願います」
ビジネスメール
- ○ 「お手数ですが、ご教示のほどお願いいたします」
- ○ 「ご存知でしたらご教示ください」
「ご教授」の正しい使い方
専門的な指導を仰ぐ場合
- ○ 「今後ともご教授のほどお願いいたします」(継続的な指導)
- ○ 「専門知識をご教授いただきたく存じます」
師弟関係
- ○ 「茶道をご教授いただいております」
- ○ 「長年ご教授いただき、感謝しております」
混同しやすい誤用
- × 「操作方法をご教授ください」(簡単な情報には不適切)
- ○ 「操作方法をご教示ください」(正しい)
覚え方・使い分けのコツ
「ご教示」= 短期的・簡単、「ご教授」= 長期的・専門的と覚えましょう。
判断基準
| 状況 | 適切な表現 | 理由 |
|---|---|---|
| 操作方法を聞く | ご教示 | 簡単な情報 |
| 手順を聞く | ご教示 | 一時的な教え |
| 専門知識の指導 | ご教授 | 長期的な指導 |
| 師弟関係 | ご教授 | 継続的な関係 |
漢字の意味で覚える
教示
- 教= 教える
- 示= 示す
- 教示= 教えて示す(簡単な情報)
教授
- 教= 教える
- 授= 授ける、与える
- 教授= 教えて授ける(専門的な知識)
ビジネスメールでの使用例
情報を尋ねる
お忙しいところ恐れ入りますが、
詳細をご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
専門的な指導を仰ぐ
今後ともご指導ご教授のほど
よろしくお願い申し上げます。
代替表現
「ご教示」の代替表現
- ○ 「お教えいただけますでしょうか」
- ○ 「お知らせください」
- ○ 「ご教示いただければ幸いです」
「ご教授」の代替表現
- ○ 「ご指導ください」
- ○ 「ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします」
- ○ 「ご指南ください」
よくある質問(FAQ)
Q. ビジネスメールでは「ご教示」と「ご教授」、どちらを使うべき?
A. ほとんどの場合、「ご教示」が適切です。簡単な情報や方法を尋ねる場合に使います。
Q. 「ご教示ください」は失礼?
A. いいえ、丁寧な表現です。さらに丁寧には「ご教示いただけますでしょうか」となります。
Q. 「ご教授ください」をビジネスメールで使っても良い?
A. 簡単な情報を尋ねる場合には不適切です。専門的・長期的な指導を仰ぐ場合のみ使いましょう。
Q. 「ご指導ください」との違いは?
A. 「ご指導」は「ご教授」に近く、継続的な教えを意味します。「ご教示」よりも重い表現です。
Q. 英語では何と言う?
A.
- ご教示: Please inform me、Please let me know
- ご教授: Please teach me、Please instruct me
まとめ
- 「ご教示」は簡単な情報を教えてもらうこと
- 「ご教授」は専門的・継続的な指導
- ビジネスメールでは「ご教示」が一般的
- 「ご教授」は師弟関係や専門的な指導に使う
- 迷ったら「ご教示」を使う方が無難
正しい表現を使うことで、ビジネスメールの質が向上します。「ご教示」と「ご教授」を正しく使い分けましょう。
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