「その案はぞっとしない」と聞いて、どんな意味だと思いますか?「恐ろしい」という意味に聞こえますが、実は「感心しない、あまり良くない」という意味です。ビジネスシーンで誤解されやすい表現なので、正しい意味を理解しておきましょう。
「ぞっとしない」の本来の意味
「ぞっとしない」とは、感心しない、あまり良くない、つまらないという意味です。
- 感心しない
- あまり良くない
- 面白くない
- 「恐ろしい」という意味ではない
重要なのは、否定形の「しない」がついていることで、意味が反転するということです。
誤用「恐ろしい」「ゾッとする」
多くの人が「ぞっとしない」を「恐ろしい」「怖い」という意味で使っています。これは「ゾッとする」との混同です。
- ゾッとする = 恐怖を感じる(怖い)
- ぞっとしない = 感心しない(良くない)
否定形になることで、全く違う意味になります。
よくある間違い例と正しい使い方
間違った使い方(誤用)
- × 「その話はぞっとしない」(恐ろしいという意味で使用)
- × 「ぞっとしない光景だった」(怖かったという意味)
正しい使い方(本来の意味)
- ○ 「その提案はぞっとしない」(感心しない、良くない)
- ○ 「今日の天気はぞっとしない」(あまり良くない)
- ○ 「ぞっとしないアイデアだ」(つまらないアイデア)
「ゾッとする」との違い
ゾッとする
- ○ 「ゾッとする話だった」(恐ろしい)
- ○ 「背筋がゾッとした」(怖かった)
ぞっとしない
- ○ 「その案はぞっとしない」(良くない)
- ○ 「ぞっとしない出来だ」(感心しない)
覚え方・使い分けのコツ
「ぞっと」+「しない」= 「感心しない」と覚えましょう。
語源を理解する
「ぞっとする」は、本来「心が引き締まる、感動する」という良い意味でした。
- ぞっとする = 感動する、心が動く
- ぞっとしない = 感動しない、心が動かない
現代では「ゾッとする」が「恐怖」の意味で使われますが、「ぞっとしない」は古い意味(感心しない)を残しています。
ビジネスシーンでの使用
ビジネスシーンでは、「ぞっとしない」という表現を使わない方が無難です。誤解を招きやすいためです。
代わりに:
- 「感心しない」
- 「あまり良くない」
- 「つまらない」
など、より明確な表現を使いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. なぜこの誤用が広まったのか?
A. 「ゾッとする」(恐怖)と混同されたためです。また、「ぞっとしない」の本来の意味が現代ではあまり知られていないことも影響しています。
Q. 文化庁の調査結果は?
A. 文化庁の調査では、約半数の人が「恐ろしい」という誤った意味で理解しています。誤用が非常に広まっている言葉です。
Q. ビジネスシーンで使うべき?
A. 誤解を招きやすい言葉なので、ビジネスシーンでは使わない方が無難です。「感心しない」「あまり良くない」など、明確な表現を使いましょう。
Q. 「ぞっとしない」はネガティブな表現?
A. はい、「感心しない、あまり良くない」というネガティブな評価を表す言葉です。
Q. 英語では何と言う?
A. 「not impressive」「not very good」「underwhelming」などが該当します。
まとめ
- 「ぞっとしない」は「感心しない、あまり良くない」という意味
- 「恐ろしい」は誤用
- 「ゾッとする」(恐怖)と混同しない
- 否定形になることで意味が変わる
- ビジネスシーンでは誤解を避けるため、明確な表現を使う
正しい日本語を使うことで、ビジネスパーソンとしての信頼性が高まります。「ぞっとしない」の本来の意味を理解しておきましょう。
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