間違えやすい日本語辞典

「お伺いします」と「伺います」の違いとは?ビジネスで正しく使う敬語

「明日お伺いします」と「明日伺います」、どちらが正しいでしょうか?実は「お伺いします」は二重敬語で、正しくは「伺います」です。ビジネスシーンでよく使う表現なので、正しい敬語を身につけましょう。

「伺います」と「お伺いします」の違い

「伺います」の意味

「伺います」は、「行く」「聞く」「訪問する」の謙譲語です。

  • 正しい敬語表現
  • 適切な丁寧度
  • ビジネスシーンで推奨

「お伺いします」の問題点

「お伺いします」は、二重敬語です。

なぜ二重敬語か:

  • 「伺う」= 既に謙譲語
  • 「お〜します」も謙譲の表現
  • 二重に敬語を重ねている

よくある間違い例と正しい使い方

誤った表現(二重敬語)

  • △ 「明日お伺いします」(二重敬語)
  • △ 「詳しくお伺いしたいです」(二重敬語)

正しい表現

訪問する場合

  • ○ 「明日伺います
  • ○ 「御社に伺います
  • ○ 「10時に伺います

聞く場合

  • ○ 「詳しく伺います
  • ○ 「お話を伺います
  • ○ 「ご意見を伺います

「お伺いします」は許容される?

現代では「お伺いします」も広く使われているため、完全な誤りとは言えません。

  • 二重敬語だが定着している
  • より丁寧な印象を与える
  • ビジネスシーンでも使われる

ただし、正確な敬語を使いたい場合は「伺います」を推奨します。

覚え方・使い分けのコツ

「伺う」は既に謙譲語、「お」を付けなくても十分丁寧と覚えましょう。

敬語の整理

基本形 謙譲語 二重敬語(許容)
行く 伺う お伺いする
聞く 伺う お伺いする
訪問する 伺う お伺いする

「伺う」の意味

「伺う」には3つの意味があります。

  1. 行くの謙譲語

    • 「御社に伺います」(訪問する)
  2. 聞くの謙譲語

    • 「お話を伺います」(聞く)
  3. 尋ねるの謙譲語

    • 「ご意見を伺います」(尋ねる)

ビジネスメールでの使用例

訪問のアポイント

お忙しいところ恐れ入りますが、
明日14時に伺わせていただきます。
よろしくお願いいたします。

意見を聞く場合

プロジェクトについて、
ぜひご意見を伺いたく存じます。

より丁寧な表現

「伺います」を丁寧にする場合

「お」を付けずに丁寧にする方法

  • ○ 「伺わせていただきます」(より丁寧)
  • ○ 「伺いたく存じます」(希望を表す)
  • ○ 「伺ってもよろしいでしょうか」(許可を求める)

状況別の表現

訪問のお願い

  • ○ 「明日伺ってもよろしいでしょうか
  • ○ 「伺わせていただきたく存じます

話を聞きたい場合

  • ○ 「詳しく伺いたく存じます
  • ○ 「お話を伺わせていただけますでしょうか

よくある質問(FAQ)

Q. 「お伺いします」は完全に間違い?

A. 二重敬語ですが、現代では広く使われているため、完全な誤りとは言えません。ただし、正確な敬語は「伺います」です。

Q. ビジネスではどちらを使うべき?

A. 「伺います」の方が推奨されます。より正確な敬語を使いたい場合は「伺います」を選びましょう。

Q. 「お伺いを立てる」は正しい?

A. はい、「お伺いを立てる」は慣用表現として認められています。「意見を求める、許可を求める」という意味です。

Q. 「お伺いいたします」は?

A. 三重敬語となり、過剰な敬語です。「伺います」または「伺わせていただきます」を使いましょう。

Q. 英語では何と言う?

A.

  • 伺う(訪問): I will visit
  • 伺う(聞く): I would like to ask

まとめ

  • 「伺います」が正しい敬語
  • 「お伺いします」は二重敬語
  • 「伺う」は既に謙譲語なので「お」は不要
  • 「お伺いします」も広く使われているが、正確には「伺います」
  • より丁寧には「伺わせていただきます」

正しい敬語を使うことで、ビジネスパーソンとしての信頼性が高まります。「伺います」を正しく使いましょう。

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