間違えやすい日本語辞典

「言質」の読み方と意味とは?ビジネスで正しく使える表現

「言質を取る」という表現、何と読んでいますか?「げんち」が正しい読み方で、「後で証拠となる約束や発言」という意味です。ビジネス交渉で重要な概念なので、正しい読み方と使い方を身につけましょう。

「言質」の正しい読み方と意味

「言質」の正しい読み方は「げんち」です。

  • 言質(げんち)= 後で証拠となる約束や発言
  • 「ごんしつ」「げんしつ」は誤読
  • 約束の証拠
  • 後で責任を問える発言

「言質」の意味

「言質」とは、後で証拠として引用できる約束や発言、相手に責任を問える言葉を意味します。

使用例:

  • 言質を取る
  • 言質を与える
  • 言質を取られる
  • 約束の証拠を得る

よくある間違い例と正しい使い方

正しい読み方と使い方

  • ○ 「げんちを取る」
  • ○ 「げんちを与えない」
  • ○ 「げんちを取られた」

ビジネスシーンでの使用例

交渉の場面

  • ○ 「上司から納期延長の言質を取った」
  • ○ 「相手に言質を与えないよう注意する」
  • ○ 「メールで言質を残しておく」

注意を促す場面

  • ○ 「うかつに言質を与えないように」
  • ○ 「言質を取られないよう慎重に発言する」

避けるべき読み方

  • × 「ごんしつ」(誤読)
  • × 「げんしつ」(誤読)
  • × 「げんしち」(誤読)

覚え方・使い分けのコツ

「言質(げんち)」= 「言葉の質(人質のような)」と覚えましょう。

語源を理解する

「言質」は、「質(しち・ち)」= 人質、担保から来ています。

  • = 言葉
  • = 人質、担保
  • 言質= 言葉の担保、約束の証拠

相手の言葉を「人質」のように押さえておくというイメージです。

「言質を取る」の使い方

言質を取る状況

  • 口頭での約束を確認する
  • 後で証拠として使える発言を得る
  • メールや文書で記録を残す

例文

  • 「部長から承認の言質を取ったので、進めて大丈夫です」
  • 「念のため、メールで言質を取っておきました」

「言質を与える」の使い方

言質を与える状況

  • うかつな約束をしてしまう
  • 後で責任を問われる発言をする

例文

  • 「軽率に言質を与えてしまった」
  • 「相手に言質を与えないよう慎重に話す」

よくある質問(FAQ)

Q. 「言質」はネガティブな意味?

A. 必ずしもネガティブではありませんが、相手を縛る、責任を問うというニュアンスがあるため、やや駆け引き的な印象を与えます。

Q. ビジネスで「言質を取る」のは失礼?

A. いいえ、確認や記録を残すのは重要です。ただし、露骨に「言質を取る」と表現するのは避け、「確認させてください」などと言う方が無難です。

Q. 「言質を取る」と「約束を取り付ける」の違いは?

A.

  • 言質を取る = 後で証拠にする(やや駆け引き的)
  • 約束を取り付ける = 合意を得る(中立的)

「言質」の方が相手を縛るニュアンスが強いです。

Q. メールで「言質を残す」のは適切?

A. ビジネスではメールで記録を残すのは重要です。「言質」という言葉を使わず、「念のため記録として残させていただきます」などと表現しましょう。

Q. 英語では何と言う?

A. 「commitment」「pledge」「promise that can be held against someone」などが該当します。

まとめ

  • 「言質」の正しい読み方は「げんち」
  • 「後で証拠となる約束や発言」という意味
  • 「言質を取る」= 約束の証拠を得る
  • 「言質を与える」= うかつな約束をする
  • ビジネス交渉では重要な概念

正しい読み方と意味を知っておくことで、ビジネスシーンでの信頼性が高まります。「言質(げんち)」を正しく使いましょう。

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