「なし崩し」の本来の意味は「うやむや」ではない
「なし崩しに計画が変更された」「話がなし崩しに進んでいる」のような表現を、「いつの間にか、うやむやに」という意味で使っていませんか。実はこの用法は、辞書的には誤用の可能性が高い使い方です。 「なし崩し」の本来の意味は「少しずつ返済すること」、転じて「少しずつ物事を済ませていくこと」を指します。文化庁...
日本語辞典編集部が、誤用しやすい表現・読み間違えやすい漢字・間違えやすい敬語表現を、複数の国語辞典と文化庁資料に基づいて解説します。
「なし崩しに計画が変更された」「話がなし崩しに進んでいる」のような表現を、「いつの間にか、うやむやに」という意味で使っていませんか。実はこの用法は、辞書的には誤用の可能性が高い使い方です。 「なし崩し」の本来の意味は「少しずつ返済すること」、転じて「少しずつ物事を済ませていくこと」を指します。文化庁...
IT業界やメーカーの現場で「汎用機」「汎用性」「汎用システム」といった語は毎日のように飛び交います。それでも、「汎用」を声に出して読むとき、一瞬ためらう人は少なくありません。結論から述べれば、「汎用」の正しい読み方は 「はんよう」 です。「ぼんよう」は誤読で、辞書にも「はんよう」だけが掲載されていま...
編集部にも「重複」の読み方について尋ねる声がときどき届きます。ある読者は、社内会議で「じゅうふくしているデータを整理してください」と発言したところ、上司から「それは『ちょうふく』と読むんだよ」と指摘されたと教えてくれました。別の読者は、逆に「ちょうふく」と読んだら、後輩から「今どき珍しい読み方ですね...
手紙やメールの結びに「ご自愛ください」と書いたことがある方は多いでしょう。相手の健康を気遣う丁寧な定番表現ですが、実は使い方を誤ると二重表現になったり、場面にそぐわなくなったりするため、気をつけたい敬語の一つです。 編集部にも「お体ご自愛くださいと書いたら、敬語に詳しい先輩から注意を受けた。どこが問...
編集部にも、ときどき「役不足」の使い方について質問が届きます。「謙遜のつもりで『この仕事は私には役不足です』と言ったら、上司に微妙な顔をされた。どこが間違っていたのか」という趣旨の相談です。結論から言えば、この表現は謙遜の言葉としては成立しません。意味を取り違えたまま使うと、むしろ傲慢な印象を与えて...
新人研修の席で、講師が受講生に問いかけたことがあります。「早急にご対応をお願いします、と書いてある文面を、そのまま読み上げてください」。受講生の読み方は見事に分かれました。「さっきゅう」と読んだ人、「そうきゅう」と読んだ人、それぞれ半々くらいの比率だったと、その講師は話してくれました。 どちらも意味...
会議室のホワイトボードに付箋が貼り尽くされ、時計の針が想定を超えて回っている。誰かが肩を落として、「議論が煮詰まってしまって……」とつぶやく。こうした場面は、多くの職場で見覚えのある光景ではないでしょうか。 ところが、この「煮詰まる」という言葉、じつは本来の意味と現場での使われ方とで、ほとんど真逆の...
「他山の石」という表現は、ビジネス書や自己啓発系のコラムでもたびたび登場します。ところが、この言葉は使う相手を間違えると強い失礼にあたる、取り扱いの難しい言葉でもあります。編集部にも「先輩の成功事例を他山の石にしたい、と書いたら誤用だと指摘された」という相談が寄せられることがあり、誤用と本来の用法の...
「経営者はすべからく社員のことを考えるべきだ」「学生はすべからく勉強に励むべし」のような文を見かけることがあります。一見もっともらしい表現ですが、ここでの「すべからく」は、本来の意味からすると誤用の可能性が高い使い方です。 「すべからく」は「すべて」の古風な言い方だと思い込んでいる人が少なくありませ...
上司や取引先からアドバイスをもらった後、「参考になりました」と返答する場面は多いものです。感謝と受け止めの気持ちを伝えるつもりで使われるこの表現ですが、相手の世代や業界によっては「失礼だ」と受け取られることがあります。理由を知らないまま使い続けると、知らず知らずのうちに印象を損ねてしまうかもしれませ...