間違えやすい日本語辞典

「確信犯」の意味を誤用していませんか?本来の意味と正しい使い方

「あの人は確信犯だ」と聞いて、どんな意味を思い浮かべますか?多くの人が「悪いと分かっていてやる人」という意味で使っていますが、これは誤用です。本来の「確信犯」は全く違う意味を持つ言葉なのです。ビジネスや日常会話で恥をかかないよう、正しい意味と使い方を学びましょう。

「確信犯」の本来の意味

「確信犯」とは、道徳的・宗教的・政治的な信念に基づいて、自分は正しいことをしていると確信して行われる犯罪を指します。

例えば:

  • 宗教的信念から法律に反する行為をする
  • 政治的主張のために違法なデモを行う
  • 思想信条のために法を破る

つまり、本人は「正しいことをしている」と信じているのが特徴です。

誤用「悪いと分かってやる」

現代では、多くの人が「確信犯」を「悪いと分かっていて故意にやる」という意味で使っています。

例えば:

  • × 「わざと遅刻する確信犯」
  • × 「ルールを知っていて破る確信犯」
  • × 「計算ずくでやる確信犯」

これらは誤用です。本来の意味では、「悪い」とは思っていないのです。

よくある間違い例と正しい使い方

間違った使い方(誤用)

  • × 「彼は確信犯で締め切りを破る」
  • × 「わざとミスする確信犯だ」
  • × 「計算ずくの確信犯

正しい使い方(本来の意味)

  • ○ 「環境保護の信念から、違法デモを行う確信犯
  • ○ 「宗教的理由で法律に反する行為をする確信犯
  • ○ 「思想信条に基づいて罪を犯す確信犯

言い換え表現(誤用を避ける場合)

「悪いと分かっていてやる」という意味で使いたい場合は、以下の表現が適切です:

  • ○ 「故意にルールを破る」
  • ○ 「わざと遅刻する」
  • ○ 「意図的にミスをする」
  • ○ 「計算ずくで行動する」

覚え方・使い分けのコツ

「確信」の意味を思い出すことがポイントです。

  • 確信 = 固く信じること、自分が正しいと思うこと
  • 確信犯 = 自分が正しいと信じて犯罪をする人

つまり、本人は「悪いこと」だと思っていないのです。

ビジネスシーンでの注意点

ビジネス会話では、「確信犯」という言葉自体を使わない方が無難です。誤用が広まっているため、意図が正しく伝わらない可能性があります。

代わりに:

  • 「故意に」
  • 「意図的に」
  • 「計算ずくで」

など、より明確な表現を使いましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. なぜこの誤用が広まったのか?

A. 「確信」という言葉から「確信を持って(悪いと分かって)やる」というイメージを持つ人が多いためです。また、メディアでも誤用されることが多く、誤った意味が定着しました。

Q. 誤用でも通じれば使って良い?

A. ビジネスシーンでは避けるべきです。正しい意味を知っている人には誤解を与え、教養を疑われる可能性があります。

Q. 「確信犯」を正しく使う場面は日常にある?

A. 日常生活ではほとんどありません。主に法律や犯罪学の専門用語として使われる言葉です。

Q. テレビやネットで誤用されているのを見たら?

A. 誤用が広まっているのは事実ですが、正しい意味を知っておくことで、自分は適切な日本語を使えるようになります。

Q. 履歴書や面接で間違えると印象が悪い?

A. 直接的に履歴書で使うことは少ないですが、面接での会話で誤用すると、日本語力や教養を疑われる可能性があります。

まとめ

  • 「確信犯」は「自分が正しいと信じて犯罪をする」という意味
  • 「悪いと分かっていてやる」は誤用
  • 本来の意味は日常会話ではほとんど使わない専門用語
  • ビジネスシーンでは「故意に」「意図的に」などの表現を使う
  • 誤用が広まっているが、正しい意味を知っておくことが重要

正しい日本語を使うことで、ビジネスパーソンとしての信頼性が高まります。「確信犯」の誤用に注意しましょう。

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